HOTEL NUTS
- プロジェクト名: Hotel NUTS
- 竣工日: 2009.12
- 担当領域: インテリアデザイン
- 所在地: 東京都新宿
- 延床面積: 141㎡
- 写真: 若林雄介
- アワード: Display Design Awards 2010 Selected WorkDesign for Asia Award 2010 Merit Recognition
対象のホテルは、新宿駅から徒歩10分、新宿御苑の側と言う恵まれた立地と、バイリンガルなスタッフによるサービスによって、海外からの来客が多いという特徴があった。
より広く、海外からの来客を受け入れるため、バリアフリーの部屋を1室作ること、そのほか3室に関しては、家族連れ、若い宿泊客を対象に、できる限り多くの人数で一室に宿泊可能なことが求められた。
海外からの来客に、日本らしさを感じてもらうための和室の要素と、既存物件に蓄積された情報のバランスを取りながら、ここでしか成立できない日本的な空間を目指した。
質感、自然光の関係によって選定され、限定的に露出された壁面と、建設当時に躯体に刻まれた「スミ」、最小限の和室の要素 ( バリアフリーの部室における光庭、そのほか3室における畳 ) にそぎ落としてデザインされた空間は、独特の重みと、緊張感を生み出し、結果的に 極めて日本的な空間を生み出している。
畳を選んだのは、布団の上げ下げによる使い方の多様性からであり、あえて帯付きの畳を選択し、長尺シートと取り合わせることで、空間全体の緊張感を高めている。
ワンフロアのみの改修工事であることから、他のフロアとのバランスも重要であり、エレベーターホールを既存デザインの調整にとどめることで、全体との調和を促し、共用廊下との境に、門形ゲートを設置することで、印象的なエントランスとして切り替えを計っている。
共用廊下の天井には、7メートルに渡って アーティスト / 川上俊の作品を埋込み、効果的な照明計画と合わせて、客室への期待感を高める、前室としている。